メールで相談する 0120-243-032

相続コラム

遺産分割

家族関係が悪化?相続トラブルの要因と対処法

#

相続で一番トラブルが多いのが、相続人同士の遺産争いです。仲が良かった兄弟や子供も、いざ相続で大きな遺産を目の当たりにした際は人が変わったかのようになることも多く、遺産の分割方法で揉めるケースが見受けられます。

相続人同士が争う相続を、「争続」と表します。相続に関する裁判の中でも遺産争いの訴訟が最も多く、年々さらに増加傾向にあります。

今回は「争続」に着目し、相続トラブルが起こる原因と事前対策を紹介します。被相続人も相続人同士で揉めてほしくはないでしょう。本記事を読んで相続に備えられるようにしましょう。

目次

なぜ相続トラブルは起こる?

相続トラブルはなぜ起こるのでしょうか。

ここでは6つの原因を紹介します。

  • 相続人同士の人間関係
  • 遺産が不動産の場合
  • 被相続人との関係性
  • 遺書の内容
  • 借入金がある場合
  • 相続額

相続人同士の人間関係

相続人同士の仲が元々悪く、人間関係の悪化が原因で相続トラブルが発生するケースです。例えば長男と次男が昔から仲が悪いうえに、遺言書による遺産分割が長男へ優遇されていた場合、次男としては不満に思うことでしょう。

次男としては最低限の金銭を取得できる遺留分の主張ができますが、それでも長男より相続財産についての取得分が少ないことも考えられます。そのようなケースが相続トラブルの原因の一つとなります。

遺産が不動産の場合

相続する遺産が不動産である場合、「単独名義」と「共有名義」と2種類の名義変更があります。

単独名義は一人が不動産の所有権を持つことに対し、共有名義は複数人が所有権を持つことを指します。

共有名義の不動産を売却する場合は、名義人全員の同意が必要であるため、自由度が限られます。そのため手続き上は単独名義のほうが手間が少ないです。

しかし単独名義にした不動産は、単独名義を取得する人の相続分割合が他の相続人に比べて大きくなってしまうことも多く、そのため不動産の分割方法で相続人同士が揉めることも多いです。

被相続人との関係性

生前の被相続人を介護していた相続人と、介護を全くしていない相続人が揉めるケースです。介護していた相続人の中には被相続人の面倒を見ない相続人が遺産を受け取ることは不合理だと思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし相続人である以上、遺留分を主張できるため、介護をしていない相続人でもある程度の遺産を相続できます。その件に対し相続人が納得できず揉めて裁判になるケースもくあります。

遺書の内容

被相続人が残した遺言書の内容に納得できない相続人も多く、トラブルになるケースもまた多いです。長男に全遺産を贈与すると記載があった場合は遺言書通りに相続されることになります。

もちろん遺留分で主張できる権利はあるものの、法定相続分より相続できる遺産割合が減ってしまうため、相続人同士でトラブルになる可能性は高いです。

借入金がある場合

被相続人の借金も相続対象です。借金誰も相続したくないと思うのが当然でしょう。

不動産投資を行うための借入金である場合は、不動産を相続した方はその債務も引き継ぎますが、カードローンなど無担保の借入に関しては相続した人が即座に全額返済を求められることが多いため、誰が相続するかで揉めることがあります。

相続額

遺産の中には不動産だけでなく、現金や自動車などさまざまなものがあります。多くの方は現金を望むのではないでしょうか。現金は分割可能ですが、不動産や自動車は分割が難しいです。

例えば長男に5,000万円の現金、次男に6,000万円の不動産、三男に3,000万円の自動車などに分けた場合は、各相続人の相続額が異なります。

相続する遺産によっては、相続人の受取る財産額が均等にできないものも多くあるため、揉めるケースも多いです。

 

【関連記事】認知症の人が相続人になる場合の問題点と解決法はこちら

相続トラブルを起こさないためには?

相続トラブルにはさまざま原因がありますが、事前に対策できる方法もあります。

ここでは相続トラブルを起こさないための方法を「被相続人になる立場」と「相続人の立場」にわけて紹介します。

被相続人になる立場

相続トラブルを起こさない対策としては生前時に以下の項目を行うことです。

ここでは4つの対策方法を紹介します。

遺書の内容

遺言書の内容が、相続人同士がもめない遺産分割内容となっているか確認することで、相続トラブルを未然に防げます。

遺言書は被相続人の意思通りに相続できるメリットがある一方、遺言書の内容が相続人に対して不利益であった場合は相続トラブルにつながりかねません。

特定の相続人だけに遺産を相続させるのではなく、他の相続人も納得できる分割割合であれば、相続人同士で揉めることなくなるでしょう。

家族信託

相続させたい方と家族信託をすることで、相続トラブルを防ぐことにもつながります。

被相続人になる方が認知症などになった場合は、基本的に財産を動かすことはできません。しかし、信頼できる相続人(受託者)と家族信託することで、判断能力が衰えたに代わって受託者が財産の管理や処分をすることが可能となります。

更に法律上遺言を残すことと同様の効果を得ることができるため、被相続人の思い通りに財産の承継・事業継承を行うことが可能となり、相続トラブルを防ぐことも可能です。

生命保険

生命保険の受取人を指定しておくことで相続トラブルを防ぐことも可能です。

相続が発生した後は相続人同士で遺産分割を行いますが、分割が難しい不動産などがある場合、相続額に偏りが起きてしまいます。その場合、生命保険金などの受取人を相続額が少ない方に設定することで、相続額のバランスを取ることも可能です。

財産目録

財産目録を作成することでこれから相続を迎える人の財産を明確にすることができ、

推定相続人全員で共有できるため、相続トラブルの防止につながります。

相続発生後は財産がいくらあるか確認するための財産調査を行うのが通常ですが、相続人全員で行う必要はなく、一般的には相続人の代表者が行います。

そのため、他の相続人は財産調査結果が正しいのか判断することが困難になります。しかし財産目録を作成し遺産分割協議書と照らし合わせることで、隠れた財産というのはなくなります。

隠れ財産は相続トラブルの原因にもなるため、財産目録は作成しておきましょう。

相続人の立場

相続人が行える相続トラブルを起こさないための対策もあります。ここでは3つの対策方法を紹介します。

相続放棄

借金を相続したくない場合は「相続放棄」を行うことで免れます。相続放棄は相続に関する権利を全て喪失する行為です。もちろん財産などの相続もできませんが、借金も引き継ぎません。

相続放棄は原則として相続発生後に3か月以内に行う必要があるため期日管理に注意しましょう。

相続人間の人間関係

相続が発生した後は遺産分割協議で遺産の分け方を話し合いますが、相続人は被相続人の生前時に推定相続人全員で話し合いを行い、遺産の分割方法の合意書を作成しておくことで、相続発生後の人間関係も悪化しなくなるでしょう。

ただし合意書は法的効力がないため、被相続人の遺言書に反映することが望ましいです。この際注意するのは、合意書の内容について被相続人も同意していることが条件です。

被相続人の意思に反する遺言である場合は、法的効力は認められないため注意しましょう。

法定相続通りの分配

相続人の兄弟間で最もトラブルが多い事例は、相続財産が平等でないことが挙げられます。

例えば、遺言の内容が被相続人と一緒に住んでいた長男への相続を優先したいと記載されていたとしても、他の兄弟の立場としては法定相続分通り均等に相続するべきと思う方が少なからずいるものです。

本来は遺言書通りに遺産を分割しますが、同居していた長男の意思による遺言書なのでは?と他の兄弟が勘ぐってしまい、最終的には裁判まで行ったという事例も少なくありません。

相続は親が無くなり子供たちが継承するケースが最も多いため、兄弟間での相続トラブルは後を絶ちません。相続トラブルが発生する前に、弁護士や司法書士などの専門家へ相談しておくことで未然に防ぐことも可能となるでしょう。

 

【関連記事】相続税の納付書の書き方や納付方法はこちら

まとめ:事前の対策で相続トラブルを回避しよう

今回は、相続トラブルが起こる原因と事前対策を紹介しました。相続人同士が仲良かったものの、いざ目の前に高額な財産が現れると財産争いになる可能性は高くなります。

遺産に目がくらみ、相続人同士であっても揉めてしまい、最終的には顔も合わせたくないという事態にもなりかねません。

被相続人としては、相続人同士での揉め事はやめてほしいと思う方も多いでしょう。そのため事前の対策を打っておくことが必要です。

本記事で紹介した相続トラブルの具体的な対策方法を知りたい方は弁護士や司法書士へ相談することが望ましいです。

弁護士や司法書士であれば、対策方法の他にアドバイスもくれるため、スムーズな相続を手伝ってくれます。自身で対策を考えるのではなく、プロの意見を参考にして対策方法を練りましょう。

相続コラムTOP