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相続コラム

遺産分割

不動産を遺産分割する方法とそのポイントを解説

相続財産の中には現金の他に不動産を所有している方も多くいらっしゃいます。現金は法定相続人割合に応じた金額を分割すれば問題ありませんが、不動産は1つの固定資産であるためどのように分割すればよいか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産にはさまざまな分割方法があり、自身に合った方法で遺産分割する必要があります。

本記事では不動産の遺産分割方法を4つ紹介します。それぞれの特徴について解説するためぜひ参考にしてください。

目次

不動産の遺産分割の4つの方法

不動産の遺産分割方法は4つに分かれます。それぞれの内容について具体例とメリット・デメリットを紹介します。

代償分割

代償分割とは一人が不動産を相続し、他の相続人には法定相続割合に応じた金額を支払う方法です。例えば評価額5,000万円の賃貸アパートを配偶者と子ども2人で相続する場合、法
定相続割合に分けると以下の通りとなります。

配偶者・・・2,500万円(50%)

子ども一人あたり・・・1,250万円(25%ずつ)

不動産は共有名義にすると、売却や建て替えをする際、名義人全員の同意が必要となるため自由度が低下してしまいます。そのため代償分割で単独名義の不動産を相続することが望ましいです。

また、単独名義にすると他の相続人が財産を相続できないことになるため、残りの方の持分に合わせた金額を支払う必要があります。

上記の例の場合に配偶者が相続するとなると、子供それぞれに一人1,250万円の代償金を支払って解決します。

代償分割は他の相続人からすると現金で相続できるため、不満が出にくいといったメリットがあります。遺産分割は相続人同士で財産の分割方法に納得できずトラブルに発展する可能性が高いです。最悪の場合は裁判まで発展し、親族でありながらも今後の関係を断つことにもなりかねません。

しかし、現金を相続できると争いも解決するというケースが多く、そのような点から代償分割はトラブル防止策としても利用できます。

一方で法定相続割合に応じた代償金が必要です。代償金は基本的に現金で支払うケースが多く、用意できなければ利用できないといったデメリットがあります。

現物分割

現物分割とは不動産をそのまま引き継ぐことを指します。自宅や賃貸物件などをそのまま引き継ぐことができるため、相続した人は被相続人に代わって居住・賃貸経営することが可能です。

また現物分割には土地を分筆することも含まれます。土地は全て一筆、二筆と数えられます。土地の分筆を行うことで、もともと一筆の土地を複数に分けて登記しなおすことができます。その場合、相続人2人で分筆しそれぞれ所有者となります。

ただし土地の大きさや形状、前面道路の間口などによって土地の評価額が均等に半分になるということはほとんどありません。多少の差額は発生するため、相続人同士で話し合いを行う必要があります。

また分筆できない土地も存在します。その場合、土地家屋調査士に確認してもらうようにしましょう。分筆はあくまで土地に関しての話です。建物に分割という概念は存在しないため注意しましょう。

換価分割

換価分割とは不動産を現金に換えて相続人同士で分け合う方法です。例えば3,000万円で売却できた不動産を相続人3人で分け合う場合、1,000万円ずつの現金を相続するということです。公平に遺産分割することができるためトラブル防止になるメリットがあります。

換価分割で不動産を売却する場合、「代表者一人が窓口として売却する方法」と「相続人全員が売却窓口になる方法」の2種類あります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

売却方法 メリット デメリット
代表者一人が窓口として売却する方法
  • 一人で契約手続きをするため、スムーズに売却を進められる
  • 売却価格に納得できず、トラブルになる可能性もある
  • 代表者が勝手に売却代金を使用するリスクがある
相続人全員が売却窓口になる方法
  • 全員で納得できる売却ができる
  • 3人が均衡して税金を支払うためトラブルになりにくい
  • 売却が完了するまで全員のスケジュールを合わせる手間がある
  • 一人が価格に反対すると売買が進まない

換価分割を利用する際は誰が窓口になるか決めなければいけません。代表者を決めて売却する場合、信頼できる人にしましょう。

また換価分割は遺産分割協議書にその旨を明記しなければいけません。遺産分割協議書が完了してからでないと売却手続きができず、さらに売り出してからすぐに売却できるとは限りません。

買い手が見つかり、価格に同意できなければ売買契約は締結できませんので、すぐに現金に換えることができないデメリットがあります。

共有

共有とは不動産の持分を相続人同士で保有することです。不動産は単独名義の方が活用しやすいですが、持分を共有しても構いません。例えば賃貸アパートを相続人3人で共有する場合、それぞれの持分を均等にすると1/3となります。

3,000万円の評価額のアパートであれば、1,000万円ずつの持分を所有するということです。

共有持分にすると持分割合に応じた固定資産税を納税することになるため、一人あたりの税金は安くなります。一方で不動産の売却をする際は持分を所有している方全員の同意が必要となるデメリットがあります。

 

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遺産分割の方法選びのポイント

4つの遺産分割方法は、それぞれ特徴があります。どの方法を利用すれば良いか分からない方に向けて、遺産分割方法を選ぶポイントを3つ紹介します。

土地が大きい場合は現物分割しやすい

建物がない大きい土地は現物分割で分筆することをおすすめします。大きい土地は活用方法も広く、相続人それぞれが好きにすることが可能です。例えば100㎡の土地を相続人3人で分筆しても一つあたり33㎡ほどの土地となってしまいます。

33㎡の土地では戸建てを建築することが難しく、物置や駐車場しか活用できません。しかし1000㎡の土地であれば一人あたり333㎡の土地を相続でき、戸建てや賃貸アパートも建築可能であるため、売却しやすい特徴があります。

そのため大きくまとまっている土地は現物分割での遺産分割がおすすめです。

土地を売る予定なら換価分割がおすすめ

土地を活用しないのであれば換価分割がおすすめです。そのまま土地を保有しているものの、自宅を建築する予定もなく、借地や賃貸も検討していないのであれば、固定資産税を払うだけになるため、売却したほうが税金を抑えられます。

相続人のうち、誰も土地を活用しないのであれば、換価分割でスムーズな話し合いになる可能性が高いです。もちろん相続人全員の同意が必要という点は忘れないようにしましょう。

配偶者は無償で住んでいた不動産に住むことができる

配偶者居住権を利用することで、残された配偶者は住んでいた自宅などに住み続けることが可能です。配偶者居住権とは自宅の所有権を持っている方が先に亡くなり、残された配偶者が亡くなるまで無償で自宅に住み続けられる権利のことです。

例えば、自宅の名義が夫になっているケースで夫が先になくなった場合、残された妻はそのまま自宅に住むことができます。本来自宅の不動産は遺産分割協議書で誰が相続するかを決めますが、これまでは残された配偶者へ相続されるという保障はありませんでした。

しかし2020年4月施行の民法改正で配偶者居住権が創設され、安心して配偶者は住み続けることが可能となりました。配偶者居住権が成立するには、以下の条件に該当している必要があります。

  • 被相続人と同居していたこと
  • 遺産分割・遺贈・死因贈与・家庭裁判所の審判のいずれかにより配偶者居住権を取得したこと

一般的には同居している配偶者は権利を取得できます。しかし別居や配偶者居住権の権利を取得しないまま住み続けることはできませんので注意して下さい。

 

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まとめ:不動産の遺産分割方法は活用の仕方で決めよう

今回は不動産の遺産分割方法について紹介しました。遺産分割は4つの方法があり、そのまま相続する方法や現金に変える方法、相続人全員で所有する方法とさまざまです。

遺産分割方法の選び方について解説しましたが、どの方法が相続人にとってベストであるか検討してから不動産を遺産分割するようにしましょう。

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