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相続コラム

贈与税

みなし贈与とは? その判断基準と対象となる場合・ならない場合

贈与はさまざまな種類が存在しますが、その中に「みなし贈与」というものもあります。
みなし贈与は本人が意識していなくても課税される可能性があるため、贈与する方と贈与を受ける方は理解しておく必要があります。
理解しないまま贈与を行うと、高額な税金を納めなければいけません。
そのため、本記事ではみなし贈与の内容と、みなし贈与と判断される基準について解説します。
これから贈与を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

贈与とみなし贈与の違い

ここでは贈与とみなし贈与の違いについて紹介します。

・贈与

贈与とは、贈与する方(贈与者)の財産を受贈者へ無償で譲り渡すことを言います。

贈与は110万円以上の資産を受贈者に譲り渡した場合、受贈者は贈与税を納めなければならないため、受贈者の承諾が必要です。

また、贈与税は贈与する金額によって税率が異なります。贈与額が多いほど納税額は高額となります。

なお、税率は以下の表を参考にしてください。

基礎控除後の課税価格

基礎控除後の課税価格 200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 3,000万円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

引用;No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁 (nta.go.jp)

 

みなし贈与

 

贈与者と受贈者が贈与の認識が無かった場合でも、安い価格で財産を売買し、相手から利益を受けた場合は、みなし贈与という扱いとなり、贈与税の課税対象となります。

例えば、5,000万円の価格がある不動産を3,000万円で売買した場合、みなし贈与に該当する可能性があります。

みなし贈与である場合、5,000万円-3,000万円=2,000万円に対して贈与を受けたと判断され、受贈者は贈与税を納税しなければいけません。

他にもさまざまな要因でみなし贈与の扱いとなるため、判断される基準を次で紹介します。

みなし贈与と判断される基準

みなし贈与と判断される基準には明確な法律がなく、各税務署の判断によって変わるのが現状です。

ただし、過去の判例を見ると、明らかに相場価格からかけ離れた価格で取引した場合に該当するケースが多いです。

例えば土地を取引した場合であれば、「時価の80%未満の価格」を指していることが多いです。

つまり、5,000万円の時価である土地を4,000万円以下で取引した場合、みなし贈与と判断されるということです。

しかし、各税務署によって基準が異なるうえ、20%ほどの価格を下げて取引することは、不動産業界ではよくあるケースでもあります。

そのため、どのようなケースがみなし贈与の扱いになるか分からない方も多いため、次で具体的なケースを紹介します。

 

【関連記事】生前贈与で現金手渡しは可能?リスクや生前贈与のポイントはこちら

みなし贈与のケース

みなし贈与の対象となる9つのケースを紹介します。

低額譲渡

父が長男に対し土地を売却した場合、贈与ではなく譲渡扱いになります。

しかしこの際、相場価格からかけ離れた価格で売却した場合、譲渡であるものの、みなし贈与の扱いになるケースも考えられます。

子供であるため、土地を安く売却したい気持ちがあるかもしれませんが、みなし贈与にならないか専門家に相談してから売却しましょう。

また、土地だけでなく動産なども対象となります。

株式の譲渡

親が持っている株式を長男に贈与した場合でも課税対象となります。もちろん親族関係なく自分以外の誰かに譲る場合も同様です。

個人間で株式の譲渡を相場価格からかけ離れた金額で行った場合はみなし贈与扱いになるケースが多いでしょう。

一般的には土地の売買のケースと同様に「時価の80%未満」が判定基準として使われていることが多いです。

不動産の譲渡

土地を相場価格からかけ離れた価格で売却した場合もみなし贈与の扱いになります。

具体的には「時価の80%未満」が基準となっています。また土地だけでなく、自宅やマンションなどの建物に関しても同様です。

預金の移動

贈与者の預金を受贈者の口座へ無利息で送金した場合もみなし贈与の対象になる可能性があります。また、配偶者や子供へ一時的に資金を預けた場合も対象となります。

年間110万円までの贈与に関しては非課税となっていますが、110万円以上の場合は贈与税を納税する必要があります。

また、年間110万円の基準は、贈与者一人当たりの金額となります。

受贈者が2人、3人であった場合でも、合計額110万円を超えると課税対象となります。

生命保険の名義変更

親の生命保険受取人を子供に設定していた場合でも、保険金が支払われた場合は贈与税の課税対象となります。

子供が保険金を受け取れると知らない場合や、自動的に振り込まれた場合であっても、みなし贈与の扱いになります。

しかし、途中で親から子供へ名義変更した場合は親が支払った金額から子供が支払った金額を差し引いた額に対して贈与税が課税されます。

例えば、親が1年間に30万円の保険料を支払っており、20年満期で600万円受け取れる保険であった場合、15年目で保険の契約者と受取人を親から子供に変更すると、残りの5年分である150万円は子供が負担することになります。

その際は600万円から150万円を差し引いた450万円が贈与税の対象となります。

借金

子供が親から借入した場合であってもみなし贈与として贈与税の課税対象となります。

一般的に家族間のお金の貸し借りは無利子のケースが多いですが、預金の移動と同様に、無利子であっても110万円以上の借金は贈与税を納税しなければいけません。

もちろん身内間だけでなく、友人間や知人間も同様の扱いになります。

債務免除

子供の借金を親が肩代わりして支払った場合も、みなし贈与として贈与税を納税しなければいけません。

例えば子供がクレジットカードなどを滞納しており、親がクレジットカード会社へ支払ったと仮定します。

親が支払ったことで、債務免除扱いになり、子供は債務免除益を受けたという扱いになります。

ただし、クレジットカードを滞納している子供が資力喪失等弁済困難である場合は、免除になる可能性もあります。

離婚の財産分与

離婚による財産分与の額が多すぎたり、離婚が納税を免れるために行われた場合は、みなし贈与と判断されることもあります。

離婚に関する財産分与は、専門的な知識が求められるため、必ず弁護士や税理士へ相談するようにしましょう。

納税義務の肩代わり

納税義務を肩代わりした場合もみなし贈与と判断される可能性は高いです。

本来子供が支払うべき固定資産税や所得税などを親が肩代わりして納税した場合でも、贈与税の課税対象になります。

 

【関連記事】贈与税がかかる場合とかからない場合とは?詳しくはこちら

みなし贈与税にはならないケース

これまでみなし贈与の扱いになるケースを紹介してきましたが、みなし贈与税の対象にならないケースもあります。

ここでは以下の3つに関して紹介します。

生活費の贈与

生活費や教育費など日常生活をする上で必要な費用などは贈与税の課税対象ではありません。

ただし、以下の扶養義務者のみとなります。

  1. 配偶者
  2. 直系血族及び兄弟姉妹
  3. 家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族
  4. 三親等内の親族で生計を一にする者

なお、扶養義務者に該当するかどうかは、贈与の時の状況により判断されるので注意しましょう。

非課税枠を活用する

年間110万円までは贈与税が非課税となります。

贈与税は贈与財産―基礎控除110万円×税率で算出されます。

つまり、基礎控除内の財産贈与であれば贈与税を支払わなくて済むということです。ただし、1年間での上限であるため注意しましょう。

特例を利用する

財産を贈与する場合、さまざまな特例が存在します。

特例をうまく活用できれば、贈与税を納税しなくて済むケースもあるでしょう。

特例には以下の5つが挙げられます。

  1. 相続時精算課税の特例
  2. 住宅資金贈与の特例
  3. 夫婦間贈与の特例
  4. 教育資金贈与の特例
  5. 結婚子育て資金贈与の特例

それぞれ用途別に分かれているため、贈与の特例を利用する際は税理士に相談してみましょう。

まとめ

これまでみなし贈与の内容と、対象となるケース、ならないケースを紹介してきました。

基本的には資金の移動や財産の移動を受贈者の同意のもと、贈与することで贈与税の対象になります。

しかし、双方の同意がなくても実質的に経済的利益があった場合はみなし贈与の扱いになります。

みなし贈与にはさまざまなケースが該当し、扱いにならないケースが少ないです。

そのため、財産を贈与する際は、贈与税の課税対象にならないか注意しましょう。

しかし、贈与の知識がない方は、贈与税の課税対象であるかの判断は難しいため、必ず税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

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