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相続登記で便利な原本還付の方法とは|とじ方や提出方法も

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相続登記の手続きには、戸籍謄本や住民票など多くの書類を用意しなければなりません。同じ書類を何度も使用することがありますが、その度に市役所や役場で書類を発行するのは大変です。

そんな手間や費用を抑えるため、一度提出した原本を返還してもらえる「原本還付(げんぽんかんぷ)」という仕組みがあります。

そこで今回は、相続登記で便利な原本還付について紹介します。概要や利用方法、還付可能な書類などを解説します。これから相続を控えている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

相続登記における原本還付とは

原本還付とは、一度提出した原本を返還してもらえる制度です。コピーとともに法務局に提出し、原本と照らし合わせてコピーの内容が正しいと確認できれば原本の還付が可能となります。

相続登記をする際は遺産分割協議書や遺言書に加え、戸籍謄本・抄本、住民票、印鑑証明書などの原本を提出します。書類の原本を発行するためには、役所へ出向き手続きをしなければならないため、労力や費用がかかります。

しかし相続登記以外にも戸籍謄本・抄本や住民票などの原本が必要となることも多く、そのたびに発行するのは大変でしょう。原本還付を利用すれば、一度提出した原本を返却してもらえるため、何度も原本を発行しなくてもよいのです。

相続登記で原本還付すべき書類

相続登記において原本が還付される書類は下記の通りです。

  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 遺産分割協議書
  • 遺言書
  • 印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書

相続登記の手続き中に2回以上使用する書類は、原本を返却してもらうほうが効率良く進められます。

「相続関係説明図」を提出すれば戸籍謄本・抄本は原本還付される

原本還付を行うには、基本的に原本と一緒にコピーを提出していなければなりません。しかし戸籍謄本・抄本は、相続関係説明図を提出すれば、コピーがなくとも原本を返却してもらえます。

相続関係説明図とは、被相続人(亡くなった方)と相続人の関係を家系図のように作成した書類です。

似た書類として「法定相続人情報一覧図」がありますが、こちらは法務局の認証が必要という点で異なります。

相続関係説明図に所定の書類はないため、法務省のホームページにある「法定相続人情報一覧図」のひな形を利用すれば、ご自身で相続関係説明図を作成して自宅で印刷できます。

また戸籍謄本・抄本の代わりに、法定相続人情報一覧図でも手続きができますが、法務局に認証される必要があるため少し時間がかかります。

登記のためだけに作成された書類は返却されない

相続登記のために作成した書類は返却されることはありません。登記法では下記の通り定めているためです。

<不動産登記規則 第55条>
書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、(中略)当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
引用:不動産登記規則 第55条

具体的にはこちらの3つの書類が該当します。

  1. 委任状
  2. 相続関係説明図
  3. 登記申請書

これら3つの書類は返却されないため、注意が必要です。

相続登記で原本還付が必要な書類がある場合

原本還付で返却が必要な書類のとじ方(提出方法)を解説します。

返却を希望する書類のコピーをとる

返却を希望する全ての書類を原寸大でコピーします。なお先ほども説明したように、戸籍謄本は相続関係説明図があれば返却してもらえるためコピーの必要はありません

コピーの余白に「原本に相違ない」と記載・署名捺印

還付を希望する原本のコピーに「原本と相違ない」と記載の上、署名捺印をします。

コピーを登記申請書にホチキス留め

登記申請書にホチキスで留めれば書類の完成です。

原本を一緒に提出

作成したコピーと原本を一緒に提出します。コピーと原本に相違がないことが確認できると、原本が返却されます。

相続登記申請後に原本還付されるまでには時間がかかる

相続登記の申請をして法務局の審査が完了するまで、おおよそ2週間前後かかります。申請後すぐに原本が還付されることはほとんどありません。相続登記と同じタイミングで原本を用意しなければならないように注意しましょう。

また1月〜3月は不動産の登記申請件数が多くなることから法務局が混雑する傾向にあります。時期によっては1か月かかる場合もあるため、スケジュールを調整しておく必要があります。

相続登記のスケジュールで不安な方は、司法書士に相談してみてください。

原本を受け取る3つの方法

原本を受け取る方法は下記の3つです。

  • 法務局の窓口で受け取る
  • 郵送してもらう
  • 司法書士が代わりに受け取る

自身で手続きする場合、法務局の窓口に出向くか、郵送してもらうことで受け取れます。郵送の場合は返送用封筒に切手を貼り付け、「送付の方法により原本還付書類の返却を希望する」と記載しましょう。また相続登記を司法書士に一任する場合、司法書士が代わりに受け取ることもできます。

まとめ:相続登記の原本還付は司法書士に任せよう

今回は相続登記に関する原本還付について解説しました。

戸籍謄本や住民票などの書類は相続手続き中、相続登記以外にも使用します。何度も役所などに発行しに行くと大変ですので、原本還付を利用し原本を返却してもらいましょう。

原本還付を行うときは、原本のコピーを取り、余白に必要事項を記載して署名捺印し、ホチキスで留めた登記申請書が必要です。原本還付はすぐに受け取れるわけではなく、登記申請してから2週間前後かかります。

他の手続きで原本が必要にならないようにスケジュールを調整して相続登記を行うようにしましょう。原本還付の手続きで不明な点があれば、みつ葉グループにご相談ください。

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