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自筆証書遺言書保管制度とは?遺言書を法務局に預けるメリットや必要書類の書き方

遺言書には遺産分割方法が記されているため、遺産分割協議の際に争いを防ぐ働きがあります。しかし亡くなった方しか遺言書の保管場所を知らない場合、見つからなかったり、作成されていたことさえ分からなかったりという事態が発生します。

その際役立つのが法務局に遺言書を預けられる制度「自筆証書遺言書保管制度」です。

今回、自筆証書遺言書保管制度の概要とメリット、手続きの流れを紹介します。これから終活を控えている方や、周りの人が終活を始めようとしている方はぜひ参考にしてください。

目次

法務局の自筆証書遺言書保管制度とは?

自筆証書遺言保管制度とは、遺言書を法務局に預けられる制度です。被相続人しか遺言書の保管場所を知らない場合、どこにあるか分からなくなることがあります。また、高齢者となると認知症などになる可能性も高く、遺言書を作成した事実さえ忘れてしまうことも考えられます。

自筆証書遺言書保管制度は、法務局で遺言書を管理してくれる上、相続が発生した後に相続人へ通知が届きます。そのため確実に遺言書が相続人に届けられます。

利用には予約が必要

自筆証書遺言書保管制度を利用する時は、保管予約申請手続きが必要です。予約の申請は「法務局の窓口または電話予約」と申請する法務局の「手続き案内予約サービス」の2種類があります。

手続き案内予約サービスならネット予約できるため多くの方が利用しています。

遺言書を法務局に預けるメリット

自筆証書遺言書保管制度を利用して法務局に預けるメリットはどのような内容が挙げられるのでしょうか。ここでは3つのメリットを紹介します。

遺言の紛失リスクがなくなる

遺言書の紛失や見つからないというリスクがなくなるメリットが挙げられます。遺言書を作成したもののそのまま相続人に保管場所を伝えないことも多いです。そのため遺言書が無いものだと相続人が判断し、遺産分割協議を行ってしまうこともあります。

自筆証書遺言書保管制度を利用すると、遺言書の存在を関係相続人等に知らせることができます。通知方法には、関係相続人等の誰かひとりが遺言書を閲覧した際に、相続人全員に対して通知される「関係遺言書保管通知」と特定の相続人1人に対して通知される「死亡時通知」の2種類があります。

人によっては特定の方だけに通知させたい方もいらっしゃるため、柔軟な対応ができる点も大きなメリットと言えるでしょう。

破棄・隠蔽・改ざんを防げる

遺言書を作成したものの、生前中に相続人に見つかり破棄や隠蔽、改ざんなどをされる可能性もありますが、自筆証書遺言書保管制度を利用するとそのような心配はありません。過去に遺言書の隠蔽などのトラブルが数多くありました。

自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言書は、生前中本人以外の申請なしでは閲覧することはできません。そのため遺言者が作成した遺言書が必ず相続人に届くメリットが挙げられます。

検認手続きが不要となる

通常、自筆証書遺言書は相続が発生した後は家庭裁判所の検認手続きが必要となります。検認は遺言書の形状や状態などを確認し、偽造や変造がないかを確かめるために行います。検認手続きはおおよそ1~2か月前後の日数を要するため、相続発生後すぐに遺言書の内容を確認できません。

相続税の申告と納税は、相続が発生してから10か月と定められています。期限を過ぎると延滞税や特例が使用できなくなるペナルティーがあるため、相続が発生した後は即座に相続手続きをしなければいけません。

自筆証書遺言書保管制度は法務局で検認してから保管するため、相続発生後の検認手続きは不要です。すぐに相続手続きへ移行することができます。

【関連記事】法務局での遺言書保管制度のメリット・デメリット

遺言書を法務局に預けるデメリット

自筆証書遺言書保管制度にはデメリットもあります。ここでは3つのデメリットを紹介します。

保管の申請に費用がかかる

自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、申請料として3,900円の費用が発生します。その他、保管料などは発生しないため、一度きりの費用となります。ただし保管している遺言書を確認したい場合や修正したい場合は別途費用が発生します。詳しくは下記の表を参考にして下さい。

手続き内容 費用
利用の申請 3,900円
遺言書の閲覧の請求(モニターによる) 1,400円
遺言書の閲覧の請求(原本) 1,700円
遺言書情報証明書の交付請求 1,400円
遺言書保管事実証明書の交付請求 800円
申請書等・撤回書等の閲覧の請求 1,700円

代理人は認められない

自筆証書遺言書保管制度の手続きは本人以外認められていません。必ず遺言者が法務局に足を運ぶ必要があります。家族であっても代理人は認められていないため注意が必要です。

特定の様式に従う必要がある

自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、遺言書は特定の様式に従う必要があります。具体的には下記のように設定されています。

  • A4サイズ
  • 上部5mm 下部10mm 左20mm 右5mm の余白を確保
  • 片面のみに記載
  • 複数枚ある場合はページ番号を明記する など

遺言書の様式が不十分な場合、法的効力が発揮しない場合もあるため注意しておきましょう。

遺言書を法務局に預ける手続きの流れ

自筆証書遺言書保管制度を利用する場合の流れについて解説します。具体的には下記の手順となります。

遺言書を作成する

はじめに遺言書の作成を行います。だれにどの遺産を相続させたいかを明記し、日付、住所、氏名を記載しましょう。ただし遺言書の内容は法務局で確認されないため、法的効力がある内容であるかは弁護士や司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

申請書を書く

遺言書の作成が完了した後は自筆証書遺言書保管制度を利用する為に申請書を作成します。申請書は法務局のホームページよりダウンロード可能です。

保管申請の予約を行う

申請書の作成が完了した後は、本住所に近い法務局でかつ自筆証書遺言書保管制度の管轄地域へ申請します。自筆証書遺言書保管制度はどの法務局であっても受け付けているわけではないため注意しましょう。予約は365日24時間予約可能な「申請する法務局の手続案内予約サービス」がおすすめです。

添付書類を用意する

予約が完了した後は、下記の添付書類の用意を行います。

  • 本籍がある住民票の写し(発行してから3か月以内のもの)
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・運転経歴証明書・パスポート・乗員手帳・在留カード・特別永住者証明書)

上記の他に申請費用3,900円も用意しておきましょう。

予約して法務局に行く

予約日に法務局へ行き手続きを開始します。必ず遺言者が出向き、「遺言書」と「保管申請書」「添付書類」を持参しましょう。申請手続きが完了すると、保管番号が記載された保管証が発行されます。後で遺言書の解除や変更、閲覧などをする際に必要となるため、無くさないように注意してください。

【関連記事】遺言書の保管は制度を使って法務局へ|紛失や改ざんから守る方法

まとめ:自筆証書遺言書保管制度で相続人に確実に知らせよう

今回、法務局で預けられる制度「自筆証書遺言書保管制度」の概要とメリット、手続きの流れを解説しました。自筆証書遺言書保管制度は遺言書を用意し3,900円で申請をすれば相続人に遺言の存在を知らせることができる制度です。

さらに遺言書の偽装や隠蔽なども無くなるため、相続人同士で争う可能性を抑えることにもつながります。自身の財産で相続人が争わないように、遺言書を作成した際は、ぜひ自筆証書遺言書保管制度を利用してみてはいかがでしょうか。

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