相続税
贈与税の申告漏れがあったときの対処法や加算税4種類、バレる理由を解説
財産を無償であげたときに発生する税金を「贈与税」と言います。
国税庁の「令和2事務年度における相続税の調査等の状況」によると、実地調査した贈与税手続きのうち、94%以上が申告漏れなどにより手続きが不十分だったことがわかりました。
贈与税の申告漏れにはペナルティーとして加算税が課されます。
この記事では贈与税の申告漏れがあったときの対処法や、4種類の加算税、申告漏れが税務署にバレる理由について解説します。
財産を贈与した方や、これから贈与する予定のある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
贈与税の申告漏れがあったときの対処法
贈与税の申告漏れが発覚した場合は、すぐに「修正申告」を行いましょう。
申告期限の前に修正申告を行えば加算税はかかりません。
申告期限を過ぎてしまうとペナルティーとして加算税を支払わなければなりませんが、正しい申告や修正申告が早いほど加算税は少なく済みます。
より早く修正申告の対応を行うためには税理士に相談することをおすすめします。
贈与税の申告漏れの加算税は4種類
贈与税の申告漏れの内容によって、加算税の種類が異なります。
申告漏れによって課される4種類の加算税をご紹介します。
・無申告加算税
・過少申告加算税
・重加算税
・延滞税
加算税は、本来納税するはずだった贈与税に加えて支払うことになります。
「無申告加算税」申告自体を忘れていた
贈与税の申告自体を忘れていたときは、無申告加算税という税金が課せられます。
税率は、贈与財産額と申告のタイミングによって下記の表のように定められています。
無申告の贈与税額 | 税務調査の連絡前に申告 | 税務調査の事前連絡から調査開始までに申告 | 税務調査後に申告 |
---|---|---|---|
50万円以下の部分 | 5% | 10% | 15% |
50万円以上の部分 | 15% | 20% |
「過少申告加算税」申告はしていたが額が少なかった
贈与税を申告して納税したものの、金額が足りなかった場合は過少申告加算税が課せられる可能性があります。
税務署から連絡が来る前に過少申告であったことに気が付き、修正申告して納税すれば、過少申告加算税は課せられません。
しかし税務調査の連絡があった場合、不足金額に下記の税率を掛けた過少申告課税を納税する必要があります。
不足していた贈与税額 | 税務調査の連絡前に修正申告 | 税務調査の事前連絡から調査開始までに申告 | 税務調査後に申告 |
---|---|---|---|
「不足していた贈与税額」か「50万円」のいずれか多い金額までの部分 | なし | 5% | 10% |
「不足していた贈与税額」か「50万円」のいずれか多い金額を超える部分 | 15% | 20% |
「重加算税」わざと申告しなかった
重加算税は、納税義務があることを知っておきながら、事実を隠蔽・仮装して贈与税の全部または一部を申告しなかった人に課される加算税です。
「35~40%」の税率を掛けた金額を納税しなければいけません。
さらに過去5年以内に税務調査で指摘を受けた方は、税率が「45〜50%」と高くなります。
故意に逃れようとした場合は「刑事罰」の可能性も
故意に納税を逃れようとした場合は、脱税の罪に問われる可能性があります。
刑事罰や行政処分の重さは、悪質さの度合いによって異なります。
「延滞税」納税が遅れた
延滞税は、申告期日から納税が完了するまでの延滞日数に応じて金額が増えていく加算税です。
贈与税は贈与を受けた翌年の確定申告で手続きを行います。
確定申告の期限が過ぎてから贈与税の申告をする場合、延滞日数に応じた税率を掛けた値を納税します。
期限 | 税率 | 特例(令和5年1月1日~令和5年12月31日まで) |
---|---|---|
納付期日の翌日から2か月を経過する日まで | 年7.3% | 2.4% |
納付期日の翌日から2か月を経過した日以後 | 年14.6% | 8.7% |
贈与税の申告漏れがバレる理由
贈与税などの申告漏れは、税務署による税務調査によっていずれバレます。
税務署は口座履歴などの個人情報を調査できるからです。
税務署が申告漏れなどを調査するため、「お尋ね」と言われる、正しく申告されたかを確認する文書が届きます。
実際に贈与したのかの有無を回答して返送することになりますが、嘘の内容を記載すると、刑事罰が課されます。
税務署の徹底的な調査により、最終的に申告漏れは発覚するため、加算税や刑事罰が小さいうちに申告・納税を済ませましょう。
まとめ:贈与税の申告漏れが心配な方は税理士に相談
今回は贈与税の申告漏れがあった場合の対処法や、加算税、無申告が税務署に見つかる理由について解説しました。
申告漏れがあった場合は、即座に申告や修正申告が必要です。
申告をしないままにすると、ペナルティーとして加算税が課せられます。
最終的には税務署に見つかるため、必ず正しい申告をしましょう。贈与税の申告漏れが心配な方は、税理士に相談することをおすすめします。
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