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へそくりの相続税と対処法|専業主婦も課税対象者か、実際の金額など解説

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相続が発生した後は、遺産分割協議や、相続税の申告・納税のために財産調査を行います。財産調査では金融機関に預貯金の確認や証券会社、保険会社へ連絡し、資産の合計額を算出します。その際「へそくり」が見つかった場合、へそくりも遺産として扱わなければなりません。

今回、へそくりを所有していた場合の相続税における対処方法などを紹介します。また夫婦で貯めたへそくりなどの財産割合や、配偶者が専業主婦である場合の事例も解説します。これから相続を控えている方はぜひ参考にしてください。

目次

へそくりは相続税の対象となる?

へそくりは相続税の対象となります。被相続人が残したへそくりは、遺産の一部とみなされ、遺産分割協議にて誰が引き継ぐか決めなければいけません。

この際注意する点としては、へそくりを見つけた人が他の相続人に言わず、懐に入れるケースです。他の相続人からすれば不公平であるため、バレた時にトラブルが発生します。

またへそくりがあることを知っていたのにも関わらず、相続税の申告をしなかった場合はペナルティーが課せられます。では夫婦共有でへそくりを持っていた場合は、どちらの財産扱いになるのでしょうか。

専業主婦のへそくりも相続税の対象

相続人の妻が専業主婦の場合、夫婦で貯めたへそくりであっても旦那の財産とみなされてしまいます。そのため相続税の課税対象となり、納税と申告をしなければいけません。

遺産総額が基礎控除内なら相続税は不要

上記のケースでは被相続人の遺産総額が3,600万円以下であれば相続税は課税されません。相続税には基礎控除額があり、課税遺産総額から差し引いた金額に対して課税されます。

基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数となります。つまり、相続人1人の場合は3,600万円が控除されるため、相続税が課せられることはないということです。

【関連記事】相続税が払えない時の対処法4選

へそくりが相続税の対象か判断する基準

先ほどは専業主婦である夫婦のへそくりについて説明しましたが、具体的には細かな基準が定められています。ここでは相続税の課税対象と判断する3つのポイントについて解説します。

誰が稼いだものか

へそくりは誰が稼いできたものかがポイントになります。一般的には旦那のへそくりは旦那の物、妻のへそくりは妻の物と考えるのが一般的です。

つまり、旦那が稼いできたへそくりは旦那の遺産とされるため、旦那が亡くなった時は相続税の課税対象となります。同様に妻が稼いできたものは妻のものとなり、妻が亡くなった時は遺産に含まれます。

生活費といえる金額か

へそくりの金額が生活費といえる金額内であれば相続財産に含める必要はありません。日々の節約から捻出したほどの金額であれば常識の範囲内といえるため、課税対象から外れます。

しかし、明確な金額設定はされていません。100万円を超えるほどの金額であれば課税対象となったという事例もあります。

そのためへそくりの金額が大きい場合は税理士などの相談するようにしましょう。

勤めた期間があるか

専業主婦が、主婦になる前に勤務経験がある場合、その期間が一つの判断ポイントとなります。専業主婦になった妻の口座残高は基本的には増えません。

しかし専業主婦になった後に口座残高が増えていた場合、旦那の給与などから入金された可能性があると判断され、事実確認をした上で、相続税の課税対象となる場合もあります。

もちろん相続税だけでなく贈与税などの課税対象にもなりうるため、注意が必要です。

へそくりの相続税にできる対処法

すでに多額のへそくりがある方はどのような対処をしたらよいのでしょうか。ここでは3つの方法を紹介します。

贈与契約を結ぶ

旦那のへそくりを妻に贈与した場合、そのへそくり金額に対して相続税は課税されません。ただし贈与金額によっては贈与税が課税される可能性もあります。

贈与税は年間110万円未満の贈与財産であれば非課税で贈与することが可能です。贈与をする際はただ金銭の授受をするのではなく、贈与契約書を締結する必要があります。

夫婦や家族、親族であっても110万円以上の贈与に関しては契約が必須となるため注意しましょう。贈与契約書の作成方法などを知りたい方は税理士などへ相談することをおすすめします。

相続税を申告する

へそくりがある場合は、相続税を申告するようにすれば問題ありません。旦那が稼いできたへそくりは課税遺産の対象となります。そのためあらかじめ相続税を納税するのがよいでしょう。

相続税は相続開始から10か月以内と定められています。申告期限後にへそくりが発覚した場合はペナルティーが課せられるため注意が必要です。

配偶者の税額軽減を利用する

配偶者には「配偶者控除」という特例が利用できます。配偶者控除は配偶者が相続する遺産が1億6千万円または、法定相続分までは課税されないという制度です。

本制度を利用すれば、配偶者は一般的に相続税が課税されません。例えば配偶者と二人の子どもがいる場合、配偶者の法定相続分は1/2、子供一人あたり1/4となります。

つまり亡くなった配偶者の遺産がいくらあったとしても1/2までは課税されないため、配偶者は納税義務がありません。ただし相続税が0円であっても申告が必要であり、なおかつ子どもには特例がないため、通常通り相続税が課せられます。

へそくりで相続税を申告しないリスク

へそくりがあることを知っておきながら申告しなかった場合は、ペナルティーとして重加算税が課せられる可能性があります。無申告の重加算税はへそくりを含めて本来支払うべき税金から、申告した税金を差し引いた額に40%の値をかけた金額を納税します。

例えばへそくりを含めた相続税が500万円だったのにもかかわらず、申告した税金が400万円だった場合、40万円の税金を納めなければいけません。

もちろん差額の100万円も支払います。さらに重加算税の他に「延滞税」が課せられます。そのため相続税の申告は必ず行うようにしましょう。

へそくりと相続税でよくある質問

ここではへそくりの相続税に関してよくいただくご質問を紹介します。

タンス預金は相続税がかかる?

タンス預金はへそくりと同様に相続税が課せられます。タンス預金から口座に移した場合、税務署が簡単に気づきますが、タンス預金のままにしているとわかりにくいというのは事実です。

ただしタンス預金しようとして生前口座から引き出していた場合、どのような目的で引き出したかの確認されることがあります。相続税を逃れるために行なったと判断された場合は、ペナルティーが課せられます。

そのため、タンス預金は相続税対策にはなりません。

【関連記事】タンス預金が相続税対策にならない理由と正しい手続きの手引き

へそくりはいくらまで非課税?

へそくりはいくらまで非課税なのかと疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。明確な金額は定められていません。しかし贈与という観点では110万円未満であれば、贈与税は非課税です。

そのため理想を言うと、夫婦間で金銭を贈与する際も、贈与契約書を作成しましょう。

へそくりの贈与税はいくら?

110万円未満の贈与であれば贈与税が非課税となります。しかしそれ以上の金額のケースもあるでしょう。では実際贈与税はどれくらい課せられるのでしょうか。

ここでは贈与税金額別の贈与税を下記の表にまとめました。(※一般贈与財産の場合)

贈与財産 贈与税額
200万円 9万円
300万円 19万円
500万円 53万円
1,000万円 231万円
2,000万円 695万円

また具体的な金額を算出したい方は下記の計算例と税率を使用してください。

課税対象額=贈与財産-基礎控除額110万円
贈与税=課税対象額×税率-控除額

課税対象額を算出した後は、その金額に合わせて税率をかけます。

基礎控除後の課税価格 200万円
以下
300万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
3,000万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

引用:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

例えば700万円の財産を贈与する場合、下記の計算式となります。

  • 課税対象額=700万円-110万円
  • 贈与税=590万円×30%-65万円=112万円

上記の計算方法でも贈与税の算出が難しいという方は税理士へ相談することをおすすめします。相談することにより税金の計算だけでなく節税方法のアドバイスもしてくれるかもしれません。

少しでも納税額を抑えたい方はぜひ専門家の意見を聞いてみましょう。

まとめ:へそくりも遺産!遺産分割や納税でトラブルにならないように事前に準備しましょう

今回は、へそくりの相続税課税対象や見つかった時の対処方法を紹介してきました。へそくりは誰が得た金額であるかによって課税対象となるかは異なります。

また小さな金額であれば課税対象から外れる可能性もあります。しかし明確な金額設定がされていないため、相続税として申告することをおすすめします。

また非課税枠を利用した贈与であれば、納税せずにへそくりを配偶者に渡すことも可能です。ただし贈与契約書など専門的な書類が必要となるため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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