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成年後見人の登記事項証明書とは?見本や発行方法・有効期限を解説

相続人が認知症や高度障害である場合、相続手続きを行えないことがあります。認知症や高度障害の相続人をサポートする制度として「成年後見人制度」があります。ただし後見人になった方は、自身が後見人であることを証明するために「登記事項証明書」を発行しなければ手続きを代行できません。

今回、成年後見人の登記事項証明書とその発行方法、有効期限などを解説します。認知症などの相続人がいる場合や、高齢になることに備えて成年後見人制度を利用する予定のある方はぜひ参考にしてください。

目次

成年後見人の登記事項証明書とは

成年後見人の登記事項証明書とは、判断能力が著しく不十分とされる被後見人に代わって相続手続きや財産管理、身上監護するための権限を証明できる書類です。認知症や高度障害者となった方は判断能力が乏しいとされ、法律上適切な判断ができないことになっています。

そのため相続人全員の合意が必要な遺産分割協議が進められません。成年後見人の登記事項証明書があれば、他の相続人に対し後見人であることを証明でき、被後見人の代わりに遺産分割協議を行うことができます。

その他にも被後見人に関する手続きの代行や生活支援など、さまざまな面で活躍する書類です。

契約や手続きに必要となる

成年後見人の登記事項証明書があれば主に下記の4つの手続きを代行して行うことが可能となります。

  1. 身上監護
  2. 被後見人の口座がある金融機関での後見手続き
  3. 相続手続き
  4. 不動産の管理など

身上監護として被後見人が介護施設や老人ホームに入所する際は、手続きが必要となります。しかし認知症などの方であれば、後見人が選任されていないと契約できません。

その際に使用するのが登記事項証明書です。証明書があれば、被後見人に代わって契約や手続きを行うことが可能となります。また金融機関にて後見設定の手続きを行う際や、相続手続き、被後見人が所有している不動産の管理などを行う際にも必要となる書類です。

登記事項証明書の有効期限

成年後見人の登記事項証明書には有効期限はありません。ただし金融機関や司法書士などから「発行して3か月以内のもの」と指定されるケースもあります。

そのため手続きで使用する際は、あらかじめ要求された企業などに有効期限を確認しておくようにしましょう。

登記されていないことの証明

反対に、自分が被後見人でないことを証明する「登記されていないことの証明」というものもあります。被後見人でないことが条件となっている資格・営業許可などの取得や更新の際に必要となるものです。

登記されていないことの証明書は本住所を管轄する法務局で取得可能です。

【関連記事】不動産の名義変更とは?費用や時間、自分でできるのかを解説

成年後見人の登記事項証明書を発行する方法

成年後見人の登記事項証明書は下記の3つの方法で請求することができます。

法務局で請求する方法

法務局の窓口で請求することが可能です。最寄りの法務局の窓口で申請書を取得し、その場で作成すれば発行してもらえます。法務局の窓口では記載方法を教えてくれるため、間違えて書類を提出するということはないメリットがあります。

ただし受付時間は、土日祝日・年末年始(12/29〜1/3)を除く8時30分〜17時15分です。そのため仕事で時間が合わない方や、法務局まで遠いという方は郵送やオンラインで発行してもらうことも可能です。

郵送で請求する方法

郵送で取得する場合は、東京法務局のホームページからダウンロードできる登記事項証明申請書を作成します。

東京法務局HP:https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/i_no_01.html

送付先は「東京法務局 後見登録課」のみで、他の法務局では受け付けていないため注意しましょう。また発行されるまで1週間前後の日数がかかるため、急いで取得したい方は次に紹介するオンラインで請求する方法を使用してみましょう。

オンラインで請求する方法

東京法務局後見登録課ではオンラインによる登記事項証明書の発行も対応しています。オンラインは法務局の窓口より時間が長く、土日祝日・年末年始(12/29〜1/3)を除く8時30分〜21時までとなります。

ただし、オンラインでの請求をする際は、「登記・供託オンライン申請システム」への申請者情報登録を行う手間がかかります。またマイナンバーカードも必要となるため注意しておきましょう。

成年後見人の登記事項証明書の必要書類

ここでは成年後見人の登記事項証明の必要書類を申請人別に分けて紹介します。

登記当事者

成年後見人になっている方が申請する場合、下記の書類が必要です。

  • 登記事項証明申請書
  • 本人確認書類(運転免許証・健康保険証・パスポート・マイナンバーカード等のコピー1部)
  • 返送用封筒(郵送での取得の場合)
  • 法人の場合は代表者事項証明書など(発行してから3か月以内のもの)

四親等内の親族

成年後見人は被後見人から四親等までの親族であれば登記事項証明の取得が可能であり、下記の書類が必要です。

  • 登記事項証明申請書
  • 本人確認書類(運転免許証・健康保険証・パスポート・マイナンバーカード等のコピー1部)
  • 返送用封筒(郵送での取得の場合)
  • 戸籍謄本(四親等を証明するため)

委任を受けた代理人

本人や四親等内の親族以外にも委任状があれば誰でも取得可能です。

  • 登記事項証明申請書
  • 本人確認書類(運転免許証・健康保険証・パスポート・マイナンバーカード等のコピー1部)
  • 返送用封筒(郵送での取得の場合)
  • 戸籍謄本(四親等から委任された場合)
  • 法人の場合は代表者事項証明書など(発行してから3か月以内のもの)
  • 委任状

委任状には特に指定の書式はありませんが、どのような記載をすればよいか分からない方は、法務局のホームページにある記載例を参考にしてみましょう。

委任状記載例:https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000001_00279.pdf?_fsi=mbGIvpiJ

成年後見人の登記事項証明書にかかる費用

成年後見人の登記事項証明を発行する際は下記の表の費用が発生します。

証明書発行費用 窓口・郵送 550円(郵送の場合は郵送料が追加)
オンライン取得(電子書籍) 320円
オンライン取得(紙) 380円
戸籍謄本取得費用 窓口 450円
郵送 450円+郵送料
コンビニ 300円~400円

成年後見人の登記事項証明書のよくある質問

ここでは成年後見人の登記事項証明に関してよくお問い合わせいただくご質問を紹介します。

登記事項証明書の見本はどこにある?

登記事項証明書の見本はインターネットで検索すれば見ることが可能です。下記のURLは証明書の見本です。

成年後見人の登記事項証明のサンプル:https://www.legal-support.or.jp/akamon_regal_support/static/page/main/pdf/support/registration_pdf01.pdf

サンプルを見てわかる通り、上から後見人の審判をした裁判所や日付などが明記されています。その下に被後見人と後見人名が記載されています。

いつどこの裁判所で後見人制度が開始されたか、被後見人と後見人が誰なのか、などがわかるようになっています。

そもそも成年後見登記制度とは?

成年後見人制度とは判断能力が乏しい本人に代わって財産の管理や身上監護を行う人を決め、将来認知症などになった際に財産管理と身上監護を任せる制度です。本制度は「誰に任せるか」を証明しなければ、本人に代わって管理等ができません。

そのために作られたのが、「成年後見登記制度」です。成年後見登記制度は権限などを法務局にて登記することで、後見人である証明書の発行ができ、第三者に証明することが可能となります。

その結果被後見人に代わり財産の管理などを行えるようになります。

変更や終了の登記申請はどうする?

成年後見人制度は一度登記すると、被後見人が判断能力を回復するか亡くなるまで職務を全うしなければいけないため、基本的には辞められません。

ただし正当な理由があると家庭裁判所から認められた場合は、後見人の変更を行うことができます。また被後見人や後見人の住所・氏名・本籍などに変更があった場合も変更手続きを行います。

変更手続きを行う際は東京法務局登録課の窓口、または郵送で変更登記申請書と必要書類を提出します。他の法務局では取扱いしていませんので注意しましょう。

一方、被後見人が亡くなった後は、終了登記を行います。

終了登記は申請書と、終了することになった原因に関する事項を証明する書類を東京法務局へ提出します。変更登記同様、窓口と郵送で対応してもらえます。また終了登記は後見人以外に、被後見人の四親等内の親族や代理人でも申請可能です。

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まとめ:成年後見人の登記事項証明書は速やかに発行しましょう

今回は、成年後見人の登記事項証明書の概要と発行方法などを紹介してきました。成年後見人制度を利用した後は、登記事項証明書がなければ、その旨を証明することはできないため、さまざまな手続きをするうえで必要な書類です。

また一度発行したとしても、手続き先では3か月以内と定めていることもあるため、事前に確認して取得するようにしましょう。登記事項証明書は成年後見人になる方が自身で発行できます。

しかし一度申請を間違えるとやり直しになる可能性もあるため、専門家に相談してあらかじめ手順を理解しておくことをおすすめします。

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