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固定資産税は相続不動産分も支払う?不動産の税金支払い手続きを解説

相続が発生したあとは相続人同士で誰がどの遺産を継承するかの遺産分割協議を行います。その財産の中で現金の次に多いのは不動産です。不動産は毎年所有しているだけで固定資産税を納税しなければいけません。

しかし遺産分割協議が完了するまでは不動産の所有者が確定していない状況であるため、固定資産税の支払いはどのようになるか疑問に思う方も多いようです。

そこで今回は、相続財産の一つである不動産の固定資産税の支払いについて解説します。これから相続を控えている方はぜひ参考にしてください。

目次

相続不動産では固定資産税の支払いが必要

遺産分割協議が完了していない状況であっても不動産の固定資産税の支払いは必要です。固定資産税は年4回に分けて納付するのが一般的であるため、亡くなったタイミング次第では未納分があることでしょう。

この未納分に関しては相続人が支払います。ただし相続人が複数人いる場合、負担割合は法定相続割合に応じた金額を支払います。法定相続割合は下記の表の通りです。

相続人 配偶者 子供 兄弟姉妹
配偶者のみ 100%
子供のみ 子供1人の場合は100%(2人なら1/2ずつ)
親のみ 両親は50%ずつ(ひとり親は100%)
兄弟姉妹のみ 兄弟の人数に合わせて按分(2人なら1/2ずつ)
配偶者と子供 50% 50%を子供達で按分(2人なら1/4ずつ)
配偶者と親 2/3 1/6ずつ(ひとり親は1/3)
配偶者と兄弟姉妹 3/4 25%を兄弟たちで按分(2人なら1/8ずつ)

例えば未納分の固定資産税が10万円と仮定し、相続人が配偶者と子ども2人の場合、配偶者が5万円、子ども一人あたり2万5千円支払うかたちになります。しかし必ず法定相続割合で支払う義務があるわけではなく、実際は配偶者などの相続人の代表者一人が全額支払っているケースがほとんどです。

1月1日時点の所有者が課税対象

固定資産税は毎年1月1日時点での所有者に課せられる税金です。ここでの所有者は不動産の登記簿謄本に記載されている方です。不動産にはすべて所有者がおり、法務局で管理している登記簿謄本に明記されています。

法務局は地方自治体と連携し、不動産の所有者へ固定資産税の納税通知書を送付しています。仮に1月2日に不動産の名義変更をしたとしても、1月1日時点での所有者が納税しなければいけません。

ただし相続が発生し、年を跨いで1月1日時点を過ぎて遺産分割協議が完了していない場合であっても、相続人が固定資産税を支払うため注意しておきましょう。

【関連記事】不動産の名義変更とは?費用や時間、自分でできるのかを解説

固定資産税は相続前にも支払いが必要

固定資産税は相続前だけでなく、不動産を所有している限り毎年支払いをしなければいけません。土地だけでなく建物にも課税されます。

建物の固定資産税に関しては年々建物が劣化していくことから固定資産の価値が下がるため、納税額が低くなります。一方で稀に地価上昇に伴い建物の価値も上がることがあります。

その場合は建物の固定資産税が増えます。そのため相続前と相続後での固定資産税は異なるケースもあるため注意しておきましょう。

相続を放棄すると支払い義務がなくなる

相続に関する全ての権利を放棄する「相続放棄」を行うと固定資産税の支払いはしなくて済みます。例えば配偶者と子どもの2人の法定相続人のうち、配偶者が相続放棄した場合は子どもが固定資産税を支払わなければいけません。相続放棄した人は遺産を相続できなくなるためよく考えて決めましょう。

そもそも固定資産税とは

固定資産税とは土地や建物など長期的に保有する固定資産を所有している方に課せられる地方税です。固定資産には固定資産税評価額が定められており、その評価額に1.4%をかけた金額が納税額となります。固定資産税評価額は固定資産税納税通知書に記載されています。

また役所などで固定資産税課税台帳を見ることで確認することも可能です。固定資産税は支払い負担を踏まえ、年4回に分けて支払うのが一般的ですが、1度の支払いでも問題ありません。

固定資産の対象財産

固定資産税は土地と建物、償却資産に対して課せられます。具体的な項目は下記の通りです。

土地 宅地・田・畑・塩田・山林・牧場・原野・雑種地など
建物 住宅・店舗・工場・倉庫など
償却資産 庭園・門・塀・ボード・船舶・飛行機・ヘリコプターなど

納税額の決まり方

固定資産税の納税額は下記の計算式で算出されます。

固定資産税評価額×1.4%

固定資産税評価は自治体の担当者が定めています。例えば新築住宅を建築した場合、自治体の担当者が見積書をもとに建物の確認を行い定めます。

一般的には固定資産評価基準に基づいて算出しますが、建築された建物の場所や敷地面積、前面道路などによって補正がかかります。とはいえ、おおよそ本体価格の50~60%前後が標準価格と定められているケースが多いです。

しかし建物については、築年数が経つことで評価額は下がるため納税額が安くなります。一般的には5年で35%、10年で46%、25年で80%前後低くなります。

そのため建物の固定資産税は基本的に増えることは少ないと理解しておいてよいでしょう。

固定資産税の相続手続き

ここでは固定資産税の相続手続きについて解説します。

相続登記

不動産を相続する人が決まった後は、所有権移転登記を行います。所有権移転登記とは名義人の変更です。名義変更は法務局で行いますが、一般的には司法書士へ依頼します。

名義変更をしなければ不動産の売却や建て替え、運用などができないため、即座に行うようにしましょう。

未登記家屋の登記

未登記家屋がある場合、新たに登記を行わなければいけません。本来未登記は違法であるため、罰則が課せられるだけでなく、過去未納分の固定資産税を支払わなければいけない場合もあります。

ただし解体する分に関しては登記する必要はありません。使用用途に合わせて対応しましょう。

相続財産の固定資産税の注意点

固定資産税の注意点は未納状態にしないことです。未納となった場合、下記の2点のリスクが発生します。

  • 延滞税が課せられる

固定資産税を未納のままとすると延滞税が課せられます。延滞税は毎年税率が異なるものの、1カ月を境に下記の税率が定められています。

期限 納期限1カ月以内 納期限1カ月以降
令和4年1月1日~令和4年12月31日 2.4% 8.7%

ただし滞納金額が2,000円未満であれば延滞税は課せられません。また1,000円未満の延滞金であれば納税する必要はありません。しかし固定資産税は数千円というケースが非常に少ないです。そのため期日までに支払うようにしましょう。

  • 差し押さえされる場合もある

固定資産税の未納状態が続くと最悪差し押さえされる可能性もあります。催促されたものの、未納状態が続いた場合、法律上「催促状を発した日から10日以内に完納しない場合は差し押さえなければいけない」と定められています。

そのため人によっては住む場所を失う可能性もあるでしょう。金銭的に納税が難しい場合は自治体の担当者へ相談することをおすすめします。

【関連記事】不動産の相続にかかる税金は?税金の計算方法・評価方法を詳しく解説

まとめ:不動産相続では固定資産税もお忘れなく

今回は相続財産の一つである不動産の固定資産税に着目し、支払いが必要な状況や注意点を紹介しました。固定資産税は被相続人が亡くなった後でも相続人が支払う必要があります。

支払いは法定相続分で按分するのが一般的ですが、各家庭によって状況が異なるため、相続人同士で話し合いの上、支払いするようにしましょう。

万が一支払いせず滞納すると、延滞税や差し押さえなど大きなペナルティーが発生します。被相続人が残した大事な不動産を守るためにも固定資産税は軽視せず納税するようにしましょう。

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